2015年5月17日日曜日
北城恪太郎さんから学んだこと
先日、10年ほど続けている同年代経営者の勉強会で北城恪太郎さんにお話を伺う機会をいただきました。
北城さんは日本IBMの社長・会長、IBMのアジア・パシフィック・プレジデントを務められ、経済同友会の代表幹事も担われてきた方です。現在は国際基督教大学の理事長でもあり、エンジェル税制の立ち上げにも関わり、産官学いずれの分野でも寄与されてきた方です。
<参考>エンジェル税制(起業応援税制)
エンジェル税制とは、ベンチャー企業への投資を促進するためにベンチャー企業へ投資を行った個人投資家に対して税制上の優遇措置を行う制度です。
北城さんといえば、「明るく」「楽しく」「前向きに」の頭文字をとった「あたま(ATM)」をモットーとしていることで有名です。
あA:明るく
たT:楽しく
まM:前向きに
ただ、その背景にあるのは、厳しい状況を乗り越えられたご経験があってのことで、「あたま」の言葉の重みを感じました。
会の冒頭では、「経営に正解はない。その時に置かれた状況でいかに最適解を出すかがマネジメントなのです。(Situation Management)」と仰っていたことが印象的でした。
事を成し遂げた方にも関わらず、ご自身の経験談を述べるに留め、後は自分たちで考えることが大事だよと諭されたように思いました。
その時の最適解を導出するためには、常日頃勉強に励み、他者の知見を見聞することで、引き出しを多く持っておく。色々な人の経験を学んでおき、自分なりに解釈をしておくといったことの重要性も仰っていました。
学ぶ暇あらずと謂う者は 暇ありと雖も亦学ぶ能わず
『淮南子(えなんじ)』説山訓(せつざんくん)
意味:学ぶ暇がないと言う者は、暇がないのではなく学ぼうとする意思がないのだから、たとえ学ぶ時間があっても学ぶことはできない。
ひるがえって、私は最近どうかというと、良くも悪くも、ゴールデンウィーク中や週末を使って読書や勉強に勤しんでいます。勤しんでいるという表現よりも、インプットせざるを得ないという方が適切な表現かもしれません。
当社を取り巻くPR・広告市場は、現在進行形で非常に大きな地殻変動が起こっています。2003年に創業してから今までで一番大きなものではないかと感じています。今後もこの潮流は続くでしょう。地殻変動の根底にあるのはIoT、ビッグデータ、ディープラーニングの三つの組合せによる技術革新です。
北城さんのお言葉を借りるのであれば、「イノベーションとは、過去の延長線と異なる付加価値をつくること」と仰っていましたが、まさに5年後、10年後のスパンでみたときにお客様のお役に立つイノベーションをどう創り上げていくのかということを考えれば、今は勉強せざるを得ない状況です。
私の使命は、当然インプットすることが目的ではなく、その場に応じた最適解を出すSituation Managementを実践し、未来を創るための打ち手を、どのタイミングで、どのように資源配分するかを決めることです。その命題に解を出すためには忍耐を必要とし、拍子を感じ取るまでチームで地道な努力を重ねるまでです。
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