2017年9月4日月曜日

分断から統合へ・破壊から創造へ


このエントリーをはてなブックマークに追加
7月にベルギー・ブリュッセルに行ってまいりました。2年連続2回目。昨年と変わらず街並みが綺麗で、食事も美味しく、欧州らしくゆったりとした空気が流れていました。また、大先輩から慫慂されてアートに触れるべく合間を縫ってベルギー王立美術館に行ってまいりました。普段アートに触れるような生活を送っていないのですが、16〜18世紀のルーベンスやブリューゲル、ダヴィッドの絵はみているだけで、なんだか魂が吸い込まれるような感覚を覚えました。
































そんな体験に触発されて、復路の機内では、書籍『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』という本を読みました。論旨は、動的な社会の中において論理的思考だけで経営していくのは蹉跌をきたすといったものです。就中、社内にビジョンという美意識がなく数字だけを追求するあまり、法的なグレーゾーンでコトを始め、炎上や批判といった外圧によってコトを終えるといった虚しさや、ファクトやロジックを基にした意思決定はコモディティ化して差別化を図ることができないといった話は、広告・PR業界に身を置く者として耳が痛かったです。

ベルギーから帰国後、全く別の流れでメディアWiredが主催する新しい旅のプラットフォーム「REAL WORLD」の報告会に参加してきました。題目は「低成長時代の成長戦略〜メガカンパニーからグッドコミュニティの時代へ」というドイツ・ベルリンのスタートアップを視察したもので、ヤンチャな規模の拡大競争とは違う企業の在り方を模索していた私にとって興味をそそるものでした。また、財政が極めて健全なドイツのスタートアップの在り方を垣間見たかったという動機もありました。

そこで話されていたことは、大言壮語な”世界を変える”を掲げ、破壊的イノベーションを前提として、既存の市場からリプレイスを狙い、無理にIPOして株主のために死ぬほど働くといった米国的スタートアップとは様相が大分異なりました。曰く、ベルリンのスタートアップはアーティストのように起業する、と。暮らしをより善くするために分断されていたものを統合する、いわば創造的イノベーションを目指しているといったものでした。スケールはしていないが生活は豊か。経済よりも文化が大事。CompanyではなくSociety。企業の活動が社会活動だったり、文化活動だったりで、そこに経済性が随伴する。一つの答えに向かって(ナチのように)熱狂的に向かっていくのではなく、答えに多様性を持つという価値観を目指しているとのことでした。

ブリュセルで触れたアート。帰路に就く間に読んだ「経営には真・善・美が必要」との書籍。帰国後に聞いたベルリンのスタートアップが目指す答えの多様性。それらが線で繋がったような気がしました。

分断から統合へ。
破壊から創造へ。

私たちが日々取り組んでいるマーケティングコミュニケーションは全て手段です。広告も、PRも、SPも、デジタルも全ては手段。そして、その手段は未だに分断されています。もっと私たち自身が主導して手段を統合し、企業の目的をイノベーションしていかなければなりません。手段のイノベーションばかりを考えて、点のソリューションをいじくり回すのではなく、マーケティングの目的そのものの価値定義を変えていく企業体になっていこうと私自身の見識を改めました。少子高齢化、市場の成熟化、デフレ、ブランドの老齢化といった日本市場の課題に直面している企業に対してマーケティングの側面から解決に資したいと思います。

2017年8月30日水曜日

スマートスピーカー・AIスピーカー


このエントリーをはてなブックマークに追加
家庭内に設置するスマートスピーカー・AIスピーカーに注目しています。約8,300億円の折込広告・DMといったエリアマーケティングを中心とするプロモーション市場に変革をもたらす可能性があるからです。プラットフォーマーが次々と参入していますね。

・LINE 「WAVE」

・Apple 「HomePod」

・Amazon 「Amazon Echo」

・Google 「Google Home」

・Microsoft 「Harman Kardon Invoke」

・Essential 「Essential Home」

端末は「スピーカー」や「ホームアシスタント」と呼ばれていますが、これは広く普及させるためのフックであって、本命は端末と人間がやり取りした会話=音声や文字といったメタデータになるでしょう。蓄積したメタデータを教師データとして、家庭内端末に広告を配信することで収益エンジンを見出すか、もしくはプラットフォーマーが自社で保有するコンテンツサービスと連携させていくかのいずれかだと推察しています。受動メディアとして家庭内で機能していたテレビを観なくなった層のオルタナティブと考えればその市場規模は折込広告やDMだけに留まりません。スマホは能動で、チコチコ文字を打ったり、アプリをダウンロードしないと欲しい情報にアクセスできないのが面倒だなという消費者インサイトもあります。

ただ、この家庭内端末はハード的にも、ソフト的にも、まだ初期段階にあるのではないでしょうか。まず、端末は音声ではなく、Amazon Echo Showのように家庭内サイネージとして発展していくことになるでしょう。Hey, SiriとかHey, Cortanaなどと呼びかけてから反応するのはスマホで文字を打って検索する行為を音声に変えただけに過ぎません。毎日必要な情報、例えば時刻や天気、ニュース、音楽といったライフコンテンツは始めからサイネージ上に表示していくのが自然な流れです。

ソフト的には人工知能・AIといっても、現状は音声をテキスト化するところは深層学習を用いているかもしれませんが、必要な情報を返すところはルールベースで参照してフォーマット化された文法に情報を入れ込んでいるように思います。現時点ではルールベースの方がおかしな日本語にならず正確な回答を導出することができるからです。例えば、「今日の天気は?」と聞けば、「今日の(XXX市)の天気は、(晴れ/曇り/雨等)で気温は(YY度)です。」といったものです。これは、今後、Data(数字) → Information(情報) → Intelligence(提案)といった形で昇華していくことになるでしょう。例えば、「今日の港区の天気は曇り時々雨なので傘を持っていきましょう。最高気温は35度で今日は外出が多いので熱中症に気をつけてください。」というようにスケジュールや近所の小売店の情報と統合してパーソナライズドされた情報が配信されていくイメージです。一方で、Alexaもそうらしいのですが、雑音から人間の声だけを抽出する技術はかなり進化しているようです。

端末の普及、換言すれば端末の内部に埋め込まれている"日本語向けの”AIアルゴリズムをいかに多くの人に使ってもらうか、そこで蓄積した教師データをどのように家庭内メディアとしてプロモーション市場のイノベーションに活かしていくのかといった視点でみていけば以下の5つの問題に突き当たります。

1. スマートフォンとの疎結合の問題
家庭内端末から情報を得ても、それはやはり外に持ち出していかなければプロモーションに活かせません。モノを買うのは圧倒的に小売店が多いからです。そうなると家庭内端末とスマホ(アプリ)との疎結合をソーシャルメディアでやるのか、QRコードでやるのか、もしくはメールでやるのかといった疎結合のインターフェイスをどうシームレスにやるのかといった問題があります。

2. リテールテック(Retail Tech)との連携問題
広告とプロモーション市場は現状、断絶されているように思います。米国ではAmazonがホールフーズを買収し、Googleがウォルマートとネット通販分野で提携したように小売店の現場が変わらなければ家庭内端末の収益エンジンは回らないように思います。

3. プライバシーの問題
家庭内端末はどこまで家庭内の会話を聞いているのか、それをどうやって消費者が感情的に気持ちが悪くならないくらいまで寄り添っていくのかといった問題です。例えば、私が帰宅したときに家庭内端末が「太田さん、お帰りなさい。今日は忙しかったですね。いつも飲んでいる炭酸入りの水がなかったので注文しておきました。今週末は太田さんの好きな牛乳が特売なのでクーポンをスマホに送っておきますね。」のようなことまでやり出したとして、それをもし、私が自ら情報を提供していなかったとしたら慣れるまでに少し時間がかかるかもしれません。

4. 端末普及のスピードの問題
エリアマーケティングを目的とした家庭内サイネージ端末の成功の鍵は、まず前提として端末が家庭内に普及していること、その上でメーカーや小売などのプレイヤーが連携している必要があります。小規模な実験を誰かが主導して積み重ねていく。スマホが爆発的に普及していったようなスピード感で進むのか、それとも実はゆっくりと5年とかのレベルで進むのか、何が起爆剤になって普及していくのかはまだ誰も読めないといった状況ではないでしょうか。

5. 広告フォーマットの問題
端末が普及して上述した諸問題が解決したとしても、市場がスケールするためには広告フォーマットを誰が誰と整備していくのかといった問題があります。未だかつてみたことのないIoT・IoEがある世界観の中で企業と消費者にとって良質な広告フォーマットは何なのか。少なくとも商品と価格が一覧化されていて、そこから自分の頭でゼロから考えながら商品を選ぶ現状の折込チラシのようなフォーマットでないことは間違いありません。

こうした中で私たちに何ができるのか。それを今、まさに考えているところです。詳しい方・ご興味ある方がいらっしゃれば是非お話させていただければ幸いです。

※写真はイメージです。

2017年7月12日水曜日

コーポレートヨガ体験


このエントリーをはてなブックマークに追加

ビルコムレクリエーションの一環でlululemonさんにご来社いただき朝8:00からコーポレートヨガを体験しました。

lululemon JapanのInstagram


ビルコムレクリエーションは3ヶ月に一度くらいの頻度で催される任意参加の文化・アクティビティ体験・人事施策です。前回は蕎麦打ち体験、前々回はお花見、その前はスノーボードでした。クリエイティビティには感性の涵養が必要という趣旨です。

lululemonさん独自のメソッドでヨガを体験するだけでなく、ヨガで心を落ち着かせた後に10年後のビジョン&ゴールを想像してみるといったワークショップ付きでした。ヨガはFLOW ARTS Yogaの濱さんインストラクターを務めていただきました。

私たちは普段仕事について1年後、3年後のことは考えるものの、ライフワークの未来はあまり考えていないといったことに着目しているそうです。確かにそうかもしれません。

10年後の自分の年齢を考え、どこで、誰と、何をしているのが最高の一日なのか。朝起きてから夜寝るまでの"Best life"を皆で想像してみました。朝からとてもすっきりして仕事に取り組めます。コーポレートヨガとてもおすすめです。







2017年5月24日水曜日

ビルコムの社員数・男女比・平均年齢(2017年5月時点)


このエントリーをはてなブックマークに追加
「私が入社しても年齢的に違和感はないでしょうか?」

ここ一週間で中途採用の最終面談で3名(全員30代)の方々に聞かれた質問です。雰囲気的に若い人が多そうな会社というイメージを抱かれていらっしゃるようです。

そこで人事にお願いして、2017年5月時点の私を含む取締役・派遣社員を除く従業員の状況を教えてもらいました。

従業員数はちょうど40名で、平均年齢は31.7歳、男女比は4:6(16名:24名)で女性が多いです。年代別分布をみると、20代19名、30代15名、40代6名となりました。標準偏差は7.0歳。ちなみに私はこの数字に入っていませんが40歳です。

既婚率は37.5%、女性社員の産休・育休経験率は16.7%、時短勤務率は15.0%で40名のうち6名が時短で現在もお仕事をされています。

私自身は、年齢・性別・国籍など関係なくプロフェッショナル集団としての組織作りを意識していますが、現状はこのような状況になっています。

ということで、若すぎる組織でもなく、シニアすぎる組織でもないのかな、と思います。従業員数や売上高の規模で会社の優劣を決める時代はもはや終えていると思いますし、当社でも一人頭の生産性や顧客満足度を経営指標においています。

しかしながら、現在、業容拡大につきPRコンサルタント・エンジニア・アシスタント・クリエイティブ職にご興味ある方を絶賛募集しています!ご興味あれば是非オフィスに遊びにいらしてください。

エンジニア・プロダクトマネージャー職
http://recruit.bil.jp/

アシスタント職(パート社員)
https://www.b-stylejob.jp/job/detail/id=62182

キャリア採用(コンサルタント・クリエイティブ職など)

先週、産休・育休を取得していた西山さんも無事に復職されました!おめでとう【祝】


2017年5月19日金曜日

17新卒が研修から学んだこと


このエントリーをはてなブックマークに追加
4月3日から5月12日まで約1ヵ月強の17新卒研修を終えました。今週15日(月)の全社会議で17新卒の4人がそれぞれ研修から学んだことを述べました。

その学びは、ビジネスマンとして、PRパーソンとして、生涯大切にしたい内容だったのでここに記載したいと思います。各自のスピーチ内容を一部抜粋します。

-----------------
■北埜さん
いちばんの学びは「理想や目標を持ちながらも、日々目の前のやるべきことに集中する」ということです。どうしてもありたい姿や先のことに頭がいきがちですが、どれだけ理想があっても1を積み重ねなければ、100にはたどり着けないということ、「目の前の1にフォーカス」を研修で強く感じました。

-----------------
■土井さん
研修からの三つの学び:

1. 積極的に自分から聞き、学ぶこと
分からないことをそのままにしておく方がのちに迷惑をかけてしまうと学んだので、現場配属されてからは研修期間以上に自分から積極的に聞き、学びたいと思います。

2. 報・連・相の重要さ
入社してから学生の時と最もギャップを感じたことが「報連相の密度」です。上司や同僚への近況連絡、問題が発生したときの即座の報告、こまめなメール返信などをしっかりと行うことが相手との信頼関係につながることを学びました。

3. 目の前のことを一つ一つこなし、諦めないこと
研修中自分のできなさにへこむことが多々ありましたが、そこで諦めず食らいついていけばできないことも少しずつできるようになることを実感しました。今後困難に直面しても諦めないようにしたいと思います。

----------------------------------------------------
■西尾さん
研修からの3つの学びを挙げます。

1つ目は「初心を忘れない」です。
研修期間、”学生感”が抜けていないというご指摘を多くいただきました。まだそういった部分は多いかと思いますが、少しでも早く、ビルコムの先輩社員の方々と対等に働きたいという思いを実現するために、マナーや挨拶、社会人としての心構え・初心を忘れずに日々成長していきたいと思います。

2つ目は「主体性」です。
ビルコムに入社して、皆さんから多くの刺激を受けました。気になったニュースを調べてみたり、話題の場所に行ってみたりすることも増えました。より多くの知識を得て、より多くのことを経験すべく、より多くの仕事に手を挙げて参加していきたいと思っています。

3つ目は「復習」です。
ビルコムでも常々言われているこの復習の重要性を、私は研修期間で強く実感しました。メモを取るだけではなく、自分に腹落ちさせるまで復習をすることではじめて次のステップを踏めるのだと感じ、基礎を身につけている今の期間を本当に大切にして復習を習慣づけていきたいと思います。

-----------------
■星さん
この研修期間で再認識したことは、やはりPRの仕事はインプットの部分も楽しいということです。大学で学んだ学問としての知識もいいですが、新聞などから得る情報は実社会の生きた知識ですからPRの勉強は世の中を広く深く知ることとリンクしていると思いました。

現場研修での学びは、3つのコミュニケーションを大切にしていくべきだと感じたことです。

一つめは、先輩方に「追いつく」コミュニケーション
二つめは、周囲と温度感を「共有する」コミュニケーション
三つめは、チームを「引っ張っていく」コミュニケーションです。

先輩方に「追いつく」ためのコミュニケーションとしてはビジネススキルとしての「分かりやすい」話し方で、具体的には「だれに、何を、どのように」というフレームワークや結論から話すことを徹底するといったことです。

二つめの「共有する」コミュニケーションは、良いことや悪いことがあったときにお互いに喜びあったり励ましあったりするコミュニケーションです。新規事業発表会のイベントに参加させていただいたときにチーム全体から熱気が伝わってきて、その温度感のようなものに自分もついていきたいと思いました。

三つめの「引っ張っていく」コミュニケーションは、まだスキルで先輩方に及ばない新人でもチームに還元できる価値として、「とにかく元気一杯でいること」しかないと思います。時には恥ずかしくてつい顔が赤くなってしまうこともありますが、その元気さにおいてチームを引っ張っていけたらと思います。
-----------------

いかがでしたでしょうか?

当然ながら、仕事は成果を出す場であって、学習する場ではありません。しかし、その成果はスキルだけでなく、仕事に向き合うスタンスや、持っている視座によって成果の大小が決まる場合がほとんどです。ビルコムの新卒研修は成果・スキル・スタンスの三つを鍛錬するものです。

仕事に向き合うスタンスや視座は、年齢や経験を重ねるごとに陳腐化して、いつの間にか小さなプライドとなって「成長を妨げる壁」となっていることが少なくありません。

私には経験がある。
私には肩書きがある。
私は年齢を重ねている。
だから、私はできる。

こうした小さなプライドが、素直さと謙虚さを失い、放埓な我流によって、キャリアの蹉跌をきたしてしまいます。

17新卒皆さんからの学びは、ミドルマネジメントが陥りがちな「成長の壁」を打破する本質的な言葉でした。ありがとう。


<チームプロジェクトの発表様子>