2013年3月25日月曜日

統計学は最強の学問か?


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週刊ダイヤモンドの今週号 第一特集は












昨年のHBR10月号の「BIG DATA」特集では


の記事が広告・PR業界でも話題になり、

データサイエンティストという職業が注目されています。

私自身は、統計の基本を学んだのが2009年からで、

多変量解析を学び始めたのが2011年からでした。

自宅の本棚にあるデータ分析系の書籍















それ以来、学術・実務両面から”ビッグデータ”に関する

セミナーや勉強会、論文、記事などでインプットを

増やしているものの、

現状、マーケティングコミュニケーション領域で

実務に直接役立つ知見に出会ったことはありません。

ダイレクトマーケティング領域(EC、メルマガなど)に

関するものは相変わらず多いですが、

ブランディング・PRに関するものはほとんどありません


ビッグデータ分析の必要性を主張するもの、

もしくは分析方法やソフトウェアに関する情報は

多くありますが、肝心なマーコム戦略にどう活かすか、

PR・ソーシャルメディアの企画・実行にどう活用するか、

といったものは、ほとんどありません。


当社が現在、取り組んでいることは大別すると2つです。

1. インフルエンサー/アンバサダーのセグメンテーション

2. PRメッセージの開発


ソーシャルメディアの特性を踏まえると

従来の分析方法と異なるものを扱う必要性を感じています。


これまでは感情分析のように、

報告者 「ブログでは比較的ポジティブに語られています。」

クライアント 「そうなんですね。(だから、なに?)」

というようなレベルで留まっていることが多かった

マーケティング実務領域のデータ分析ですが、

これからは戦略策定や効果測定のレベルまで

昇華させていく必要性を感じます。

So what? から Why so? の視点へ。

クライアントのコミュニケーションゴール達成のために

日々努力してまいります。


2013年3月12日火曜日

女性の労働参加率を増やしたい


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日本の女性の労働参加率は62%だそうです。

OECD参加国と比べて相対的に低いとのこと。


僕は、日本の経済をよくするためには、

女性の労働参加率を高めることが大事だと思っています。


この分野に詳しいわけでも、調べたわけでもありませんが、

少子高齢社会かつ成熟国家において、

短期的にも長期的にも、ひとりひとりの意識によって

テコ入れできることだと思うから。


特に産後の女性の方々です。

お子さんができて、仕事を継続しない・できないというのは

現実的にあることです。


当社には四人、産後の女性が社員として働いています。

配置転換、時短、在宅勤務、役割変更、雇用形態変更など

現状業務で何か問題があれば、

本人と話し合って柔軟に対応しています。


制度や規程などのルールを整備することも大事ですが、

経営者や管理職が、こまめに社員とコミュニケーションを

取って、現状を把握することが大切です。


まだまだ小さな会社ですが、

このような部分でも、社会のお役に立てるようになりたいと思います。

この記事も参考:
女性の労働参加促進で成長率は上がる

2013年3月5日火曜日

主観? vs. 客観? 何事も偏重は危険


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先日、リンクアンドモチベーションの元役員水谷さんと

お食事しているときにさらっと一言おっしゃっていたこと

 「何事も偏重は危険」という言葉が心に残っています。




















最近よく本屋で目にするこの本が教えてくれることは

「世界の経営学は”科学”になることを目指している」

ということだと思います。

下記の記事も参照:
世界で「知の競争」に勝つには、
ドラッカーを読んでいるヒマはない
第1回: 世界中で進む「経営学の科学化」


最近、いろいろな論文を読んだり、学会に参加していると

確かに”科学化”の潮流がきていると感じます。


ものごとをみるときに、

Positivism(=実証主義)なのか、

Realism(=現実主義)なのか、

どちらの立場・哲学をもってみるのかによって、

分析方法も変わってくるというものです。


Positivismの考え方:

主観から独立した事実を基に物事をみる。

一般化を目指す。分析方法は主に統計・数理モデル。


Realismの考え方:

主観的なフィルターを通して事実をみる。

「なぜ」より、「なに」に重きを置く。

分析方法は主に事例研究法や参与観察。


この二つの考え方を念頭におきながら、

仕事をしているとどちら寄りの考え方をもっているのか

みえてくることがあります。


しかしながら、大事なことは偏重しないということ。



最近、孔子の論語を読み直しているのですが、

論語の根本的な思想の一つに、「中庸」という言葉があります。


どういう考え方かというと、

中庸とは、その時々の物事を判断する上で

どちらにも偏らずに都度、正しい判断を下すという意味です。


仕事でも全く同様です。


何か一つの思想に偏ってしまうと判断を誤ることがある。


例えば、

何かの施策を継続するか、しないかということを

決めるにあたって、

「石の上にも三年のように継続が大事」という考え方もあれば、

「朝令暮改のように日々見直していくべき」ということもあります。


これを論語の中庸の考えに則って考えれば、

継続するものもあれば、日々見直して

短期施策で終わらせるものもあるとなります。


何によって、判断するかというと、

当然それは会社の目的によります。


今、何が大事で、何に注力するのかという目的から考えて、

その施策を継続するか、しないかを判断すればよいのです。


他にも、度々社内で議論になるのは

「クライアント最優先で」とか

「意見を否定しないでモチベーションを高める」とか

「利益を出すこと優先に」とか

「性善説 vs. 性悪説」とか

様々な考え方や思想がありますが、

その考え方や思想をぶつけあっていても、

それは宗教戦争になるだけです。


そうではなくて、今、僕たちにとって一番大事なことは何か?

という目的に立ち返れば、利益度外視するべきか、

理想論で終わらせず現実的なことを伝える、

つまり意見を否定するべきか、肯定するべきかの

判断はすぐにつくと思うのです。


あれこれ難しく書きましたが、結局はベンチャー経営。

JUST DO IT!!!!!(とりあえずやってみよう!)

で終わることが多いのが現実なんですけどね・・・。^_^;

2013年3月3日日曜日

価値観で仕事をするということ


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マーケティングやPRの仕事は、

一人でできることに限界があって、

生活者の心を揺さぶるくらいの

コミュニケーションをお客さまに提供するためには

やはりチームワークが要になります。


チームワークにおいて大事なことは、

共通の価値観をもてるかどうかです。

これはスポーツでも、政党でも同じことが言えますね。


Aさんは結果が大事だという。

同じチームのBさんは、結果よりも人間関係が大事だという。

これでは、チームワークが成り立ちにくいです。


ビルコムでは、創業期から採用と育成の両方において

四つの能力を定義していました。


















この中でも、採用段階においては

下部=人間力・スタンスが大事としていますし、

育成段階においては

上部=ビジネススキル・テクニカルスキル

大事としています。


人間力やスタンスは、なかなか育成しにくいからです。

むしろテクニカルスキルほど育成しやすい。

特に仕事に向き合うスタンスが同じであればなおさらです。


ただ、2~3年前の急成長期に、明らかな人手不足になり、

テクニカルスキルを優先して採用してきた時期がありました。


その反省を踏まえて、今は仕事に対するスタンスを

すり合わせていく重要性を日々感じています。


今週、あるGM(部長職)が

メンバーに送っていたメールを読んで

より価値観の重要性を感じました。

そのメールには下記のようなことが書いてありました。

(前略)

「この問題を全体としてとらえて、各自が日々改善案を考え、
提案し実行する体制が自発的にうまれること。
毎日の活動に疑問を持ってほしい。
上から言われた事を鵜呑みにしないで欲しいし、
無視しないでほしい。意見が違えば、ぶつかろう。」

「楽しい仕事=やりがいのある仕事をしたいでしょう。
楽しい仕事は形にしないと意味がない。
いまのままでは形にすらできない。」

「アウトプットが何も無い日は恥ずかしいと思おう。
仮説検証が何もできていない日は恥ずかしいと思おう。」

などなど

日々の業務に忙殺されていると、
どうしても、タスク・テクニカルな会話になりがちです。

でもそんなときこそ、お客さま、仕事、ビジョンに向き合う
価値観の共有・すり合わせが大事なのではないでしょうか。


何に対して、何を感じるか?


という根本のすり合わせができていない限り、

チームワークは生まれず、その組織は単に、

仕事に向き合うスタンスが異なるフリーランスの集まり

になってしまいます。

これでは、マーケティングの醍醐味・PRの楽しさを

実感できるはずがありません。


価値観で仕事をするという点で、

リクルートの創業メンバーの一人である大沢武志さんが

1983年の入社式で述べた新入社員七つの大罪

思い出しました。人づてで聞いただけですが引用します。


1. 分相応の罪

2. 不作為の罪

3. 楽を選ぶ罪

4. 出し惜しみの罪

5. 扶養家族の罪

6. アウトサイダーの罪

7. 不健康の罪


「分相応の罪」とは、新入社員は新入社員らしく・・・というのが罪。

お客さまにとっては新入社員も、中途社員も

関係ありませんから当然ですね。


「扶養家族の罪」とは、上司や会社の扶養家族になるな、

せめて自分の給与・経費以上は稼げという意味。


「アウトサイダーの罪」とは、どれだけ一人前になっても

一人で仕事をするなという価値観。

チームで戦うことが徹底されていたのだと思います。


私はリクルート出身ではありませんが、

前職の上司がリクルート出身だったので

徹底した価値観を提示されてきました。


もう一度、原点に立ち返って

価値観で仕事をしていこうと思います。