2013年10月29日火曜日
ボストンキャリアフォーラムに向けて
「社長は本気なんですね。」
先週、中途の最終一次面談の際に、ご応募頂いた方からの一言が心に残っています。この一言を裏返しに捉えれば、今の安易な社会を表しているように思いました。こと採用に関して言えば、ひしひしとその安易な空気を感じる。
少しだけ雛型をカスタマイズした履歴書と志望動機。マニュアル通りの自己PR。会社研究もままならずにエントリー。履歴書に書くためのインターン。これらがまかり通ってしまうのは、私たち企業側の責任です。企業が、採用という大事に対して本気になっていない。だから、相手も本気でなくなってしまう。
企業は人なり、といった従来の精神論を唱えるつもりは毛頭ありません。しかし、私たち企業は社員(と社員の家族)の人生を半分程度担っているという事実がある。正社員という雇用形態であれば、程度の差はあれど、一般的に一日の労働時間は8時間〜12時間の間。すなわち、休日を除いた一日の半分程度は、所属した会社の中で、プロとしてお金をもらいながら仕事に従事することになります。一日の半分程度は会社という生き物に人生を委ねる。これは合理的な正論です。
だから、人を雇うという行為が本気か、本気でないか、と問われれば、本気にならざるを得ない。年間数百万円の費用を投資し、育成に時間をかけ、一人の人間としての幸せを願うのは、情理論・合理論の両方からみても必然です。そこに安易な発想はなくなります。人に対して本気になれない会社は、そもそも正社員を採用しないし、その方が損益分岐点が低くなるため利益も出やすい。
当社は過去に、学歴・社歴・スキルといった表層的な体裁を基とした採用を行い、失敗した苦い経験があります。人は機能ではない。モノでもない。情理と合理を内包した泥臭い人間なのです。人間を機能として見立てた採用は不幸を生む。だから、採用は心と行動を視る。できる限り対面で話す。
応募者も企業も、効率性を追求することに目が行き過ぎて、真の目的を見失っていないだろうか。内定を獲得することがゴールになっていないだろうか。企業も採用することが目的になっていないだろうか。
そこに未来への希望はあるのだろうか?
終身雇用の崩壊や、労働市場の流動化、そして個人キャリアの優先。このような潮流だとしても、覚悟を持った応募者と企業が、本気で膝と膝を突き合わせる場−−−それが、当社なりのボストンキャリアフォーラムに向き合う姿勢です。
4名の社員と共に、私もボストンに赴き、セミナーで語り、面談で対話を繰り返す。そんな当たり前の本気を3日間やり続けるということです。口先だけではなく行動で証する。
11月8日(金)〜10日(日)に開催されるBoston Career Forum 2013で、皆さまにお会いできるのを、心から楽しみにしております。10月28日時点のエントリー数は293名、内定予定数は7名です。
ビルコム株式会社
代表取締役 太田滋
PS:
I have a simple question for you. Just like a riddle. "Why BILCOM?" I do look forward to hearing the answer from you very soon.
2013年10月6日日曜日
感謝の3Q経利率20%達成
昨年から続いていた私の慢心・放任によって今期の1月・2月は過去最低水準の経常利益率で推移してしまい、色々な方々にご心配をおかけしました。
それ以降、下座行と猛省を繰り返し、お客さま・パートナー・社員の皆様に心底から支えられてまいりました。その結果、3Q(7-9月期)の経常利益率は、7月9.1%、8月11.7%、9月21.9%と高成長を遂げることができました。
社内・社外問わず、特にこの一年間で頂いたご恩は一生忘れることができません。ご恩を忘れない環境を毎日の生活に組み込み、毎朝毎晩、心に刻むようにしました。人間の情理は移ろいものだと思うからです。
ただ、当社のミッション「コミュニケーションで感動を創造する」という視界からみれば、この3Qは新しいステージの端を発したに過ぎません。期末の4Qに向けて自分が撒いてしまった負の遺産も一掃しなければなりません。
会社経営というのは、突き詰めれば何も難しいことではなく、お客さま・パートナー・社員の皆さんに対して、小さなプライドを捨て、いかに本気で向き合うかだけのように思います。
それは換言すれば、「感謝と謙虚、そして大義」を忘れずに全身全霊かけて行動できるかに尽きると思うわけです。
明後日10月8日に、ビルコムは創業10周年を迎えることになります。10年前の2003年10月8日にビルコムは出発しました。今年に入り、何人かの社員から「10周年をお祝いしないのですか?」と聞かれました。私が常に返している言葉は下記の通りです。
「10周年というのは供給者論理の考えであって、お客さまやパートナーにとっては何ら関係ない。常に外へ向こう。僕たちが10年を迎えられたのは誰のお陰なのかを常に考えよう。打上げをやるのであれば、何かのけじめをつけるときに、社員と社員の家族全員が幸せを感じるような形でひっそりとやろう。」
感謝と謙虚、そして大義−−−
36歳の若造である自分に向けて。
太田滋
ビルコム株式会社
2013年10月2日水曜日
ReBuy・Okkru事業の撤退について
栄枯盛衰---
2012年2月にリリースしたReBuy、同年8月にリリースしたOkkruを2013年10月20日をもって撤退することを決断いたしました。
ReBuyは、Facebookファンページ上でeコマースを展開する企業向けアプリケーションで、いわゆるソーシャルコマースと呼ばれるサービスです。
Okkruは、スマートフォン上で住所がわからない友人にもギフトを贈れるサービスで、ソーシャルギフトと呼ばれるものです。
撤退を決意した最大の理由は、「ソーシャルコマース・ソーシャルギフトという市場がなかった」ことです。ご出店頂いた企業の方々の観点からも、ユーザー様の観点からも、ソーシャルコマース・ソーシャルギフトという需要・ニーズを創りだすことができませんでした。
ご出店頂いた企業の皆さま、これまでお使い頂いたユーザーの皆さま、パートナー・メディアの皆さまのご期待に沿うことができず、撤退という結果になってしまい大変申し訳なく思っております。ここに深くお詫び申し上げます。
これまで1年8ヶ月間、季節に応じたキャンペーンやメールマガジン、UI/UXの改善、機能追加等、社内ではエンジニア含めた専任チームが毎日あらゆる工夫と努力を重ねてまいりました。
私から撤退を決意した後にチームへ伝えたのは、下記のようなことでした。
「これまでReBuy・Okkruのお客さまのことを第一に考え、頑張ってくれてありがとう。しかし、私たちはソーシャルコマース・ソーシャルギフトという新しい市場を創ることはできなかった。1年8ヶ月もの間尽力してくれてありがとう。撤退は新規事業を立ち上げるのと同じくらい大変なことです。今日からは、これまでご出店頂いた企業さま、ご愛顧頂いたユーザーさま、多大なご協力を頂いたパートナーさまに、感謝の気持ちとお詫びの気持ちを第一に考えて行動していこう。メールではなく、対面でお会いしにいこう。物理的に無理なら電話で気持ちをお伝えしよう。事業の撤退というとネガティブに聞こえるかもしれない。しかし、事業を撤退するということは、皆さんがビルコムの中で挑戦し続けた証でもあると思うし、その誠意はきちんとご理解頂けると思う。真摯に誠実に対応するしかない。ビルコムは、これからも挑戦を止めない。挑戦があるからこそ、失敗があると思うのです。まずはReBuy・Okkruの撤退に伴う感謝と謝罪の気持ちをお伝えしよう。その上で、次のビルコムの挑戦を一緒に創っていこう。ありがとう。」
ビルコムは「コミュニケーションで感動を創造すること」をミッションとしています。そのミッションを追求し、社会に、お客さまに感動を提供してまいります。いつも皆さんに支えられて、社員一同・私の毎日があります。ご支援頂きありがとうございます。
なお、本事業の撤退に伴う業績への影響は全くございません。
昨年度の決算において、企業会計基準に則り、本事業に投資した全てのソフトウェア資産は減損処理をしているからです。
太田滋
ビルコム株式会社
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