「世界をより感動できる社会にする」−−− 2014年6月30日の12期下半期の全社総会で、新しいビジョンを発表させて頂きました。
創業初の大赤字、事業再生といった激動の2年間を乗り越えた仲間たちと一緒に目指すものです。当社は2003年に創業した際、経営理念として「感動の創造」、ビジョンとして「世界一のコミュニケーション企業」を掲げていました。2014年まで、ずっとこの経営理念とビジョンを内外に伝えてきました。この理念とビジョンで入社してくれた社員も多いはずです。11年間会社の支柱になっていた理念とビジョンを変える−−−それは、会社の生き様を変えるという大きな決断でした。私の心にあったのはただ一つ、株式会社としてより大きな社会貢献をしていくこと、すなわち未来への着実な成長と、その土台となる企業体質を新たに築き上げることでした。
このビジョンを新たに策定するにあたって、こだわった点は次の三つです。まず、自分たちがどうありたいか、という利己的な考えをやめること。会社はお客様がいてこその存在です。それを忘れて、自我の欲求を追い求めると自壊が始まります。身を以て体験してきたあのような愚かな失敗はもう繰り返したくない。だから、ビルコムはどうなりたいのか?といったことではなくて、ビルコムは社会にどう貢献するのか?という視点を持つことから始めました。次に、「感動できる社会」とは何かを明確にすること。そして最後に、「良質なコミュニケーション」にこだわったことです。
良質なコミュニケーションを通じて、世界をより感動できる社会にしよう。では、感動とは何だろうか?一つは、社会的矛盾の解消です。日本にも、海外にもまだまだ多くの社会的矛盾があります。もっとこうしたら便利になるのに。本当はこうすれば幸せになるのに。そのできない理由を事業で解決することです。次に、新しい文化の創造です。お客様の商品やサービスを一過性の話題や流行だけで終わらせるのでなく、100年続く文化にしていく。その文化をお客様と一緒に創っていくことです。もう一つは、努力が報われる社会にすることです。人の褌で相撲を取るような輩が蔓延るような社会にしたくない。真摯に努力している人たちが、きちんと正当に報われる社会にしていく。社会的矛盾の解消。新しい文化の創造。努力が報われる社会へ。この三つを感動できる社会としました。
私たちは、感動できる社会を、良質なコミュニケーションを通じて実現していくことを目指します。コミュニケーションとは企業と人を繋げるもの。企業と人。企業と企業。人と人。もっといえば、社会や地域、国同士のコミュニケーションもあります。あえて「良質な」コミュニケーションという表現をしたのはPRの視点からです。一方的に押し付けるような、生活者が嫌がるようなコミュニケーションは長続きしません。PRというこれまで11年間培ってきた共創志向の強みを活かして、世界をより感動できる社会にすることが私たちのビジョンなのです。
代表取締役兼CEO 太田滋
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