2013年2月18日月曜日
市場リスクはとらない方がいい
ファイナンスの基礎で学ぶ理論に
CAPM(Capital Asset Pricing Model; 資本資産価格モデル)というのがあります。
この理論が教えてくれることの一つは、
個別リスクを回避して、市場リスクのみを取ることが
リターンの最大化を生むということです。
投資先を分散させてポートフォリオを組むのは
個別リスクを回避するためですね。
一方、私たち事業会社が、PR戦略を考えるときは、
市場リスクを回避して、個別リスクのみを取ることが
リターンの最大化を生むという
逆説的なアプローチになると思います。
例えば、当社はOkkruというソーシャルギフトサービスを運営していますが、
市場リスク=ソーシャルギフトサービスという市場が社会に受容されるか
個別リスク=Okkruという個別サービスが生活者に支持されるか
という二つのリスクを取っているわけです。
二つのリスクを抱えながら、マーケティング・PRを展開するのは
時間もかかるし、難易度も高い。
予算が年間十億円以上ある場合は別ですが・・・。
市場が飽和した製品・サービスで、よく当社にお声がけ頂く内容の一つに
「戦略PR」のようなことを展開したいと言われることが多くあります。
戦略PR=新カテゴリを創出した上で、自社サービスに落し込むこと
という定義でご要望を頂くことも多いのですが、
これは
新カテゴリ(=市場リスク)+自社サービス(=個別リスク)
という二つのリスクを
取っているので、不確実性あるPRのみではなかなか難しいのが現実です。
解決策の一つは、新カテゴリというこれまでになかったようなコンセプトや
市場を創出することを目指すのではなく、
従来の訴求軸を変えるというアプローチです。
これまで機能軸で訴求していたけれど売れなくなった。
これまでインセンティブ軸で訴求していたけれど響かなくなった。
というようなケースは、
まったく新しいターゲット層や市場を創出するのではなく、
機能軸から意味軸へ訴求を変える。
インセンティブ軸から情緒軸へ訴求を変える。
といった、「ちょいズラし」というアプローチで、
十分に需要喚起は可能になります。
営業段階で大風呂敷を広げたが、実際にやってみたら
話題化どころか、メディアにさえ取り上げてもらわず、
新カテゴリ創出もされず、自社サービスへの落とし込みさえできなかった・・・・
という事例をよくみますので、注意が必要です。
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