2016年6月24日金曜日

カンヌライオンズ2016 6日目速報レポート


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現地で多くの方とお知り合いになれて幸せだなと感じている毎日です。お会いいただいた皆様ありがとうございます。ご縁を大切にいたします。Cannes Lions 2016の速報レポート6日目をお届けします。今日はセレモニーがない中日なのでこれまで感じたことを書こうと思います。

アワードは今年24部門。クリエイティビティという本源的なコンセプトはあるものの非常に多岐にわたる部門があります。各部門によって評価基準は異なるのでしょうが、個人的には部門の区分けにはあまり意味がないかなと思っています。実際、エントリーされている方も複数部門に応募していたりしていて、Juryが異なるだけでクリエイティブという観点で良いものは良い、ということで複数部門にわたって受賞しているものが多くあります。

カンヌではInside Jury Roomというセッションがあって、前日に受賞が発表された部門の審査員が4名くらいでどういう評価基準で選んだのかを解説しています。私は今日MediaとMobileのJury Roomに参加しました。MobileのJury Roomでは「来年どんなエントリーを期待しますか?」という質問に対して、今年の審査員が「Chatbot関連に期待する」とか、「ブランドの提供価値をいかにモバイルで実現するかといった作品に期待する」というようなコメントをするので実務におけるプランニングの参考にもなります。




セレモニーの際は審査委員長がどういう視点でグランプリを選んだのか述べます。例えば、PR部門であれば、パワフルなアイディア(super powerful idea)で注目を獲得し(earned attention)、態度変容や知覚変容(change behavior, change mind, change perspective)に繋がったものを評価したと話されていました。Creative effectiveness部門であれば、クリエイティブが実際にROIの最大化に繋がったかという評価基準。Outdoorであればきちんとビジネス課題の解決に繋がった屋外広告だったか。Media部門であればSimplicityとBravely。Cyber部門はTechnology makes us human。Mobile部門はモバイルを使って人々をコネクトし、location activation含めていかにビジネスインパクトを出せたか。

このように各部門によって評価基準は異なるものの、共通しているのは「シンプルなアイディアでビジネスインパクトをいかに出せたか」ということだと思います。Juryから良く出てくるキーワードは「Simplicity(シンプル)」「Bravely(勇敢)」「Authenticity(真実)」の三つです。審査員のコメントに注目していくと何がトレンドなのかを理解することができます。


今日はFacebook beachで行われたインスタグラムのケーススタディや、P&Gのセッションにも参加しましたので触発されたケースをご紹介します。



特にP&Gのセッションは素晴らしく、これまで1,000くらいのコンテンツを制作してきたそうですがそれが生活者にとってはノイズになっていることに気づき、Creative CanvasというコンセプトでHumanity(人間としての温かみ)、Familiar(親しみ)、Craft(精巧)というコンテンツの本源的価値=In a state of peaceful happiness(穏やかで幸せな状態)を提供するようになったとのことです。





まず、インスタグラムのケースからご紹介します。

SONIC #SquareShakes


XC60 Los Angeles Thumb Drive | Volvo


続いてP&Gの作品。ほとんどの作品が受賞しています。


Strong is Beautiful | Pantene Dad-Do


Dads #ShareTheLoad



Secret Deodorant | Raise | #StressTest



SK II - Marriage Market Takeover
肌だけでなく人生も良くするSK II



Always #LikeAGirl - Girl Emojis
昨年のLikeAGirlの続編が出ました。女性を体現した絵文字がないことに注目してperception changeした事例。


Always #LikeAGirl
昨年の作品。こちらは説明不要ですね。



This Father’s Day, Go Ask Dad | Gillette
泣ける。10代の男子はお父さんよりもネットに頼って情報収集していることに着目してお父さんのありがたみを感じさせる素晴らしい作品。



P&G Thank You, Mom - Strong | Rio 2016 Olympic Games
これも泣けます。オリンピックスポンサーに合わせて4年前と今の成長を表現。こちらも親のありがたみを感じさせます。

締めくくりの言葉"Creative does Matter."が沁みますね。Customer SatisfactionからCustomer Delightへ。 



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