2014年5月18日日曜日

書籍「メディアの苦悩」


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予約注文していた書籍「メディアの苦悩」が届きました。触発される内容が多く、週末に一気に読破しました。

















ネット広告直接効率主義の限界、組織的ジャーナリズムの必要性、メディアの正確性・公共性・速報性、プラットフォームとメディアの関係、広告主のブランドセーフティネット、形而下のビジネスと哲学の両立、アートとサイエンスの融合、見る側のメディアリテラシー、エージェンシーの持つべき素質・・・・


一言では語り切れない、多様な視点でメディア・コミュニケーション・プラットフォームの今がインタビューによって描かれています。


その中でも、最も触発されたのは「信頼資本主義」ということでした。どのプレイヤーも何かしらの目的を持っている。しかしながら、その目的だけを追求するだけでは永続性がない。目的追求と同時に、倫理を担保した信頼性が大切という考え方です。


ライシュの「暴走する資本主義」、ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」にも同様のことが語られていますが、メディア・広告・PRにも同様のことがいえるのだと感じました。目的には必ずルール・制約条件が必要なのです。


テクノロジーが進化すればするほど、実は本源的な広告・PRのあり方、つまり企業と生活者にとって良質なコミュニケーションを生み出すという原点に立ち返る時代になってきているような気がします。


そう思えば思うほど、11年前に会社を創業したときにPRをコアとしたコミュニケーションを選択して良かったとつくづく思うのです。枠と数値の呪縛だけではなく、思考を働かせるマーケティングでお客様とメディアの方々に還元できるからです。



2014年5月13日火曜日

デジタルPRとブランデッドコンテンツの関係


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デジタルを活用したPRにはブランデッドコンテンツが効果的です。

昨今では、市場の同質化(コモディティ化)が進んでいます。その中で、どのように差別化を図るかというと、機能的価値の訴求に加えて、情緒的な価値の訴求が必要になるわけです。その情緒的価値を、デジタルPRで訴求しようとするとブランデッドコンテンツが重要になる。

先日、web R25で新しいPRのかたち?「企業×歌手」のコラボ曲が増加中」という記事の取材を受けさせて頂きました。こちらも音楽というブランデッドコンテンツを通じた戦略PRになります。

当社では下記に挙げさせて頂いたブランデッドコンテンツの戦略・企画・実行面をお手伝いさせて頂きました。これからもデジタルPRをしていく上で、ブランデッドコンテンツの多様性は広がるように思います。このような機会を頂くお客様とパートナーの方々に恵まれております。本当に感謝です。


1. コミック×PR

業態認知をわかりやすいマンガで表現














2. 実写ドラマ×PR

情緒的価値をドラマで表現















3. CG×PR


コーポレートブランドをCGで表現


















4. 音楽×PR

コーポレートストーリーを音楽「ともに」で表現
















これからも多様なブランデッドコンテンツでお客様とパートナーの方々に還元してまいります。

2014年5月3日土曜日

ネイティブアド 6類型と評価フレームワーク


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先日ネイティブアド教本を訳したPDFをアップしましたが、HTMLでも閲覧できるようにして欲しいというリクエストを頂きまして、下記にネイティブアド教本の要点をアップさせて頂きました。

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ネイティブアドの 6 類型 

現時点で、主に 6 種類のネイティブアドが用いられている。以下では、定常的に活用している媒体社・プラットフォーム事業者とともに、ネイティブアドの 6 類型を提示する。


①「フィード内広告型」(In-Feed Units)
(例)Forbes、Yahoo、Facebook、Twitter



②「検索連動型」(Paid Search Units) 
(例)Yahoo、Google、Bing、Ask



③「レコメンド表示型」(Recommendation Widgets) 
(例)Outbrain、Taboola、Disqus、Gravity 



④「リスティング広告型」(Promoted Listings)
(例)Etsy、Amazon、Foursquare、Google




⑤「ネイティブ要素を持つインアド型(IAB 基準)」
(In-Ad (IAB Standard) with Native Element Units)
(例)Appssavvy、Martini Media、EA、Onespot、Federated Media




⑥「カスタム型」(Custom /”Can’t Be Contained”)
(例)Hearst、Flipboard、Tumblr、Spotify、Pandra




IAB が推奨するネイティブアドの評価フレームワーク 

ネイティブアドを評価するにあたって、マーケッターは下記 6 つの質問を自問自答する必要がある。

▽形式(Form):
・ネイティブアドがページ全体のデザインにフィットしているか?
・アクティビティストリーム(ユーザーの活動(アクティビティ)をリスト化して扱う情報)にあったフォームか否か?

ストリームに合っている          ストリームに合っていない


▽機能(Function):
そのネイティブアドが埋め込まれているページの他の要素と同様の機能を果たしているか否か?
(動画サイトなら動画広告、記事サイトなら記事体広告など) そのアドがコンテンツ体験と同様の機能を果たしているかどうか?


機能にマッチしている           機能にマッチしていない



▽統合性(Integration):
広告枠からの遷移は周囲のコンテンツと同じかどうか?同じサイト内の記事ページにリンクするのか、それとも外部サイトに移るのか?


ページコンテンツの遷移を反映      新たな遷移を導入


▽広告枠の購入とターゲット設定(Buying & Targeting):
媒体の特定の枠に表示されることが保証されているかどうか?もしくは、サイト全体に表示されるのか?どのようなターゲット設定が可能か?


ピンポイントに枠を指定            広範囲な枠の設定


▽評価方法(Measurement):
成功を測るための効果指標は何か?マーケッターが利用できる指標は、視聴数、いいね!数、シェア数、滞在時間など、見込み客から受注へと絞り込まれるセールスファネルの上流におけるブランドエンゲージメント指標か、もしくは販売数、ダウンロード数、データキャプチャー数、登録数なセールスファネルの下流におけるダイレクトレスポンス指標か?


ブランドエンゲージメント            ダイレクトレスポンス


▽広告表記(Disclosure):
ステルスマーケティングややらせ記事ではないことを示すための広告表記は明確かどうか?

マーケッターやエージェンシー、そして媒体社にとって、各種ネイティブアド間には膨大なバリエーションができつつあるという認識が急速に広まっている。したがって、IAB によるネイティブアドの評価フレームワークを通じてカテゴリー分けするのが得策だとタスクフォースメンバーは判断した。下記の表がそのフレームワークのまとめとなる。




上掲のフレームワークが存在することにより、広告主とメディアの両者がネイティブという文脈において広告商品を議論する共通の土台を得ることができる。広告主の利用目的によって無限のバリエーションが考えられることから、ネイティブという概念はそれを規定するものであり、ネイティブアドの売買についても同じことが言える。

また、広告表記の議論に関しては、各ネイティブアドの種類ごとに最も一般的に利用されている広告表記の文言、その配置場所、さらに消費者がそれに気づく要素など現在の慣行を明示している。

これはネイティブアドの種類によって変わるものである。IAB が何か特定の広告表記の文言を推奨するわけではないが、本稿の狙いは現在ウェブ上で使用されている広告表記の文言で最も一般的に使われているものを提示することにある。

組み合わせは多岐に渡ることから、それらすべてをここで提示することは不可能である。したがって下記では、一般的な実施例と、それがどうフレームワークにフィットしているかどうかを考察したものである。

① 「フィード内広告型」
おそらく実務上、フィード内広告型は最もバリエーションが豊富な類型だろう。以下では、フィード内広告型の中でもさらに分かれる3 つのサブグループの実例、およびIAB ネイティブ・フレームワークとの適合性を示している。

1 つ目のフィード内広告型は、メディアの通常コンテンツの中に配置され、周囲の記事と体裁が適合するようにメディア側の記者によって、もしくは記者と共同で書かれたコンテンツと同じフォームを持つ。

他の編集記事と同様に同じサイト内のページにリンクし、広告主が広告の周囲環境を知った上で、掲載場所が保証されている。また、インタラクション(コメント数や壁紙のポスティング数、好むと反応した数など)やブランドリフト(ブランディング広告への接触グループと非接触グループの割合を比較し、後者が前者より上がったことを示す指標)などのブランド指標で計測される。


形式       ストリームに合ってい ストリームに合っていない

機能       機能にマッチしている  機能にマッチしていない

統合性   ページコンテンツの遷移を反映 新たな遷移を導入

広告枠の購入 ピンポイントに枠を指定    広範囲な枠の設定

評価方法  ブランドエンゲージメント   ダイレクトレスポンス

(例)BuzzFeed、Gawker、Forbes BrandVoice、Mashable.


2 つ目のリンク型フィード内広告は、メディアの通常コンテンツの中に配置され、プロモーション広告の一種である。リンクではそのサイト外にあるコンテンツや記事、ブランドのランディング・ページなどに飛ぶ。枠の購入においては掲載位置が保証され、CTR やコンバージョン数によって計測される。


形式   ストリームに合っている    ストリームに合っていない

機能    機能にマッチしている     機能にマッチしていない

統合性   ページコンテンツの遷移を反映 新たな遷移を導入

広告枠の購入 ピンポイントに枠を指定   広範囲な枠の設定

評価方法  ブランドエンゲージメント   ダイレクトレスポンス


(例)YouTube、Facebook、Twitter、Yahoo、Sharethrough、LinkedIn


3 つ目のフィード内広告型は、メディアの通常コンテンツの中に配置され、周囲にある記事に体裁が合うようなフォームとして配置され、消費者が別ページに飛ぶことなく、遊んだり、読んだり、視聴したりすることができる。枠は広範囲のセクション(例:スポーツ欄など)で売られ、掲載位置も特定できない(例:NFL の記事があるページなど)。また、インタラクションやブランドリフトなどのブランド指標で計測される。


形式    ストリームに合っている  ストリームに合っていない

機能    機能にマッチしている    機能にマッチしていない

統合性   ページコンテンツの遷移を反映 新たな遷移を導入

広告枠の購入  ピンポイントに枠を指定  広範囲な枠の設定

評価方法  ブランドエンゲージメント    ダイレクトレスポンス


(例)Facebook、Twitter、YouTube、Instagram、Sharethrough

(フィード内広告型で利用される広告表記の文言)

(例)
・”Advertisement” or “AD” (Google、YouTube)
・”Promoted” or “Promoted by [Brand] (Twitter、Sharethrough)
・”Sponsored” or “Sponsored by [brand]” or “Sponsored Content” (LinkedIn、Yahoo)
・”Presented by [brand]” + “Featured Partner” tag (BuzzFeed、Huffington Post)
・”Suggested Post” + a “Sponsored” tag (Facebook)


② 「検索連動型」
オーガニック検索エンジンによる検索結果の内容とフォーマットはサーチエンジンそれ自体と、サービスが提供されるプラットフォーム(デスクトップなのか、モバイルなのか、タブレットなのか等)によって変化するものの、ネイティブアドを特徴づける明確な原則が一つある。

検索におけるネイティブアドは、オーガニック検索エンジンによる検索結果に用意にアクセスできるようなフォーマットやレイアウトによってコンテンツが提示されているということだ。

検索連動型広告は通常、検索結果の上部に表示され、広告表記を除けば、それ以外の周囲の検索結果とほぼ同じフォームで提示される。オーガニックな検索結果と同様にリンクがあり、広告主が広告の周囲環境を知った上で、掲載場所が保証されている。また、購入といったコンバージョン数で計測される。


形式    ストリームに合っている  ストリームに合っていない

機能    機能にマッチしている    機能にマッチしていない

統合性   ページコンテンツの遷移を反映 新たな遷移を導入

広告枠の購入 ピンポイントに枠を指定   広範囲な枠の設定

評価方法  ブランドエンゲージメント   ダイレクトレスポンス


(検索連動型で利用される広告表記の文言)
検索連動型の広告表記は特に2002 年以来、FTC(米連邦取引委員会)のガイダンスによってカバーされている。これにより消費者は、検索結果が第三者からの金銭供与によるものでなく、検索クエリの関連性のランキングに基づいて表示されているということが予期できる。

欺かれることがないように、消費者がサーチエンジンの提供する広告と純粋な検索結果を容易に見分けることができるようになっている。

2002 年のガイドラインに対するアップデート版が最近になって出されたが、基本的に原則は変わらず、新しい点としてはオーディオ・サーチ(例:Siri など)のガイダンスが追加されたことだ。FTC の公式ガイダンスレポートは巻末の参照に記載されている。特にFTC が規定している広告表記の条件としては以下が挙げられる。

(1)検索結果が広告であることを明確に表現した文言を使うこと

(2)消費者が広告表記の存在に気づくのに十分な大きさと見た目を兼ね備えていること

(3)検索結果の近くで、消費者の目につく場所に配置されていること

例えば、「ピザ」と検索した時に一般的にみられる広告表記の文言としては以下が挙げられる。

・Google/Yahoo の場合:“Ads related pizza” (Ad Choices のアイコンとともに)
・Bing の場合:「すべてのリンクは新しいタブで開かれます。[オプトアウト] リンクをクリック」


③ 「レコメンド表示型」
レコメンド表示型はウィジェットを通じて、広告や有料コンテンツのリンクが提供されるネイティブアドとなる。
レコメンド表示はそのページに統合された形で埋め込まれており、編集記事のフォームとは外見上違うものとなっている。そのサイト外のページにリンクし、掲載位置も指定はされないで枠が売買される。また、インタラクションやブランドリフトなどのブランド指標で計測される。


形式    ストリームに合っている   ストリームに合っていない

機能    機能にマッチしている    機能にマッチしていない

統合性   ページコンテンツの遷移を反映 新たな遷移を導入

広告枠の購入 ピンポイントに枠を指定   広範囲な枠の設定

評価方法  ブランドエンゲージメント   ダイレクトレスポンス


(レコメンド表示型で利用される広告表記の文言)
レコメンド表示型の広告枠では、最大3 つ広告表記であることを示す要素が存在する。

(1)文言は通常、リスティングの上位に太字で表示されている。
(例)「こちらもおすすめ」「あなたが好きかもしれないページ」「ウェブの他のページ」「見逃したかも?」「あなたへのおすすめ」

(2)スポンサーやデスティネーションサイトの名前はビジュアルやヘッドラインの後に位置し、このフォーマットが局所的かつ第三者のコンテンツをともに含むことが示唆されるようになっている。

(3)第三者から提供されている場合、テクノロジー・プロバイダーはそこに含まれているコンテンツがメディアから出ているものではないということを消費者に明確に示すために、企業名やロゴを含
めることがある。

(例)”Recommended by Outbrain” “Sponsored content by Taboola”


④ 「リスティング広告型」
リスティング広告型は通常、記事コンテンツの中に埋め込まれることはないが、そのページのブラウザー体験とシームレスにフィットするようにフォームがデザインされている。サイトの商品やサービスと同じ見栄えで提示され、特定のブランドや製品のページにリンクが飛ぶようになっている。媒体から直接オークション形式で枠を購入し、ダイレクトレスポンスの指標で計測される。


形式    ストリームに合っている  ストリームに合っていない

機能    機能にマッチしている    機能にマッチしていない

統合性   ページコンテンツの遷移を反映 新たな遷移を導入

広告枠の購入 ピンポイントに枠を指定  広範囲な枠の設定

評価方法  ブランドエンゲージメント   ダイレクトレスポンス

(例)Google のリスティング広告、Foursquare、AutoTrader、Amazon

(リスティング広告型で利用される広告表記の文言)

・Google のアイコン付「広告」
・Amazon の場合:「スポンサー商品」
「外部ウェブサイトからの商品広告/スポンサー・コンテンツ/これは何?」


⑤ 「ネイティブ要素を持つインアド型(IAB 基準)」
ネイティブ要素を持つインアド型は、フィード内広告型とは異なり、編集記事や投稿とは同じ場所に位置せず、広告内に位置する。リンクはサイト外ページに飛び、掲載場所が明確になっている。インタラクションやブランドリフトなどのブランド指標で測定される。


形式    ストリームに合っている  ストリームに合っていない

機能    機能にマッチしている    機能にマッチしていない

統合性   ページコンテンツの遷移を反映  新たな遷移を導入

広告枠の購入 ピンポイントに枠を指定  広範囲な枠の設定

評価方法 ブランドエンゲージメント    ダイレクトレスポンス


⑥ 「カスタム型(フレームワークに収まらないもの)」
ネイティブアドの実務においては、広告主とメディアがカスタム・ユニットについて協創する点で可能性に限界はない。このカテゴリーはこれまでの類型に当てはまらないユニークな例の集合である。各メディアの特徴に合わせてデザインされたオリジナルなフォームを取る。


広告枠の購入 ピンポイントに枠を指定  広範囲な枠の設定



IAB が推奨する広告表記の原則 

ネイティブアドの種類を問わず、有料の広告枠の場合、広告表記の明確性が最も重要な要素だとIAB は考えている。 

広告表記が満たすべき必須条件: 

-その広告が仮にトラディショナルな広告メッセージを含んでいない場合であれ、広告表記の文言は広告枠に対価が支払われたことが消費者に伝わるような表現を使うこと

-ページの文脈の中で、消費者がきちんと広告表記を発見できるだけの大きさと見やすさを 備えていること 

要点: いかなる文脈であれ、消費者が有料な広告とメディア側の編集コンテンツとの違いを見分けることができるということ。