2018年1月28日日曜日

書籍「広告をやめた企業は、どうやって売り上げをあげているのか。」太田滋


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ソーシャルメディア時代のコミュニケーション戦略論に関する書籍を上梓させていただくことになりました。


「広告をやめた企業は、どうやって売り上げをあげているのか。」 

https://www.amazon.co.jp/dp/4295003085/





















本書の要諦は、ソーシャルメディア時代の新たなコミュニケーション戦略論です。具体的には、1)企業からの情報発信ではない「第三者視点」、2)売らんかなの演出にならない「事実性」、3)熱量を持った生活者の文脈を大切にする「マイクロコンテキスト」という三つを踏まえた”PR的コミュニケーション”フレームワークや戦略の立案といった実務目線を交えつつ、可能なかぎり体系的に解説しました。




PR的コミュニケーションで売り上げをあげる、という企業側の視点だけではなく、「モノではなくコトを欲しがる人たち」にも着目して、いわゆる「コト消費」を3つに分類し、ソーシャルメディア時代の消費の在り方について解説いたしました。




上述した企業側のアプローチ、生活者のコト消費を踏まえて、ソーシャルメディア時代の消費心理プロセス「PLSAモデル」を規定し、PR的コミュニケーションの特徴である有意な情報波及を促す「シャンパンタワー型コミュニケーション戦略」について具体的な手法を解説しました。
































ソーシャルメディア時代のコミュニケーションは「信頼」が競争軸になる時代です。本書がマーケティングに携わるあらゆる立場の方々の一助になれば幸いです。以下に目次と「はじめに」を転載いたしました。


<目次>















<はじめに:どうして「ちがい」が生まれたのか(本書より転載)>


 「広告に代わる新たなコミュニケーション手法はないか」


 この数年、企業の事業担当役員や広報宣伝部門の責任者からこうした相談をもちかけられることが増えている。


 彼らが異口同音に語るのは、広告がかつてのようには効かなくなった、あるいは、かけた費用に見合うだけの効果が得られなくなった、ということだ。


 その結果として、広告はいよいよ売り上げに十分に寄与できるものではなくなってきている、という。


 本書は、そんな悩みに答えるべく、筆者が代表をつとめるビルコム株式会社がもつ、広告に代わって売り上げをあげることができるコミュニケーション手法に関する知見をまとめたものだ。


 2003年に創業して以来、私たちはPR会社として「ブランド価値で事業に貢献する」ことをミッションに掲げ、東証一部上場企業から地方にある中小企業まで、さまざまな業種や規模の企業に対し、マーケティングの戦略立案にはじまって企画実行にいたるまでをお手伝いしてきた。そのなかには、世界的な広告賞として知られるカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルを含め、数々の栄誉ある広告賞を獲得した仕事もいくつかある。私たちの手法は広告とは異なるものだが、それほどに「広告に近いところ」で活動してきた。


 だが、近くはあっても、「広告が効かなくなった」という声が高まるなかで、私たちの「広告ではないコミュニケーション」の効果はおとろえていない。それどころか、高まっているといってもいいくらいだ。「広告ではないコミュニケーション」すなわち、PRの考え方を発展させた独自のコミュニケーション手法によって、生活者の共感を勝ち取り、企業の経営課題を解決し、経営目標の達成に貢献しつづけているのである。


 どうして「ちがい」が生まれたのか。それは、どこからくるのか。冒頭の問いかけに対する答えの手がかりがそこにある。


 本書では、それを読み解くために、広告的アプローチが効かなくなったという客観的な事実に着目し、いま起こっている事柄を冷静に読み解くところからはじめた。


 そして、一方的なポジショントークに終始したり、成功した事例の紹介にとどまることのないよう、社会において生活者のベースとなっているコミュニケーションのあり方についても、変化の表層だけでなく、人間心理を含め、より根っこにあるものの分析に取り組んだ。


 さらに、それらをふまえて「つぎの時代のコミュニケーション」に必要な要件を私たちなりに導き出したうえで、広告に代わって売り上げに貢献できるコミュニケーションについて、フレームワークやメソッド、戦略の立案といった実務目線を交えつつ、可能なかぎり体系的に解説を試みている。


 よくいわれるように、市場の成熟化、少子高齢化、ブランドの老齢化……と、現代の日本企業が直面している課題は多岐にわたっている。コミュニケーションの手法をあらためたからといって、そのすべてを即座に解決できるわけではないかもしれない。


 だが、あらためてソーシャルメディア時代のコミュニケーションを見つめなおしてみて、企業と生活者との関係には、まだまだ大きな可能性があると感じる。あるいは、これまでは存在感を発揮しきれずにいた規模の小さな企業にも、今後は新たな可能性がもたらされるのではないだろうか。


 本書ではそこに、私たちなりのひとつの解を示したつもりだ。これを手がかりに、さらにすぐれた解を読者のみなさまと見つけていくことができればと願う。


ビルコム株式会社 代表取締役 兼 CEO 太田滋

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