ソーシャルメディア時代のコミュニケーション戦略論に関する書籍を上梓させていただくことになりました。
「広告をやめた企業は、どうやって売り上げをあげているのか。」
https://www.amazon.co.jp/dp/4295003085/
本書の要諦は、ソーシャルメディア時代の新たなコミュニケーション戦略論です。具体的には、1)企業からの情報発信ではない「第三者視点」、2)売らんかなの演出にならない「事実性」、3)熱量を持った生活者の文脈を大切にする「マイクロコンテキスト」という三つを踏まえた”PR的コミュニケーション”のフレームワークや戦略の立案といった実務目線を交えつつ、可能なかぎり体系的に解説しました。
PR的コミュニケーションで売り上げをあげる、という企業側の視点だけではなく、「モノではなくコトを欲しがる人たち」にも着目して、いわゆる「コト消費」を3つに分類し、ソーシャルメディア時代の消費の在り方について解説いたしました。
上述した企業側のアプローチ、生活者のコト消費を踏まえて、ソーシャルメディア時代の消費心理プロセス「PLSAモデル」を規定し、PR的コミュニケーションの特徴である有意な情報波及を促す「シャンパンタワー型コミュニケーション戦略」について具体的な手法を解説しました。
ソーシャルメディア時代のコミュニケーションは「信頼」が競争軸になる時代です。本書がマーケティングに携わるあらゆる立場の方々の一助になれば幸いです。以下に目次と「はじめに」を転載いたしました。
<目次>
<はじめに:どうして「ちがい」が生まれたのか(本書より転載)>
「広告に代わる新たなコミュニケーション手法はないか」
この数年、企業の事業担当役員や広報宣伝部門の責任者からこうした相談をもちかけられることが増えている。
彼らが異口同音に語るのは、広告がかつてのようには効かなくなった、あるいは、かけた費用に見合うだけの効果が得られなくなった、ということだ。
その結果として、広告はいよいよ売り上げに十分に寄与できるものではなくなってきている、という。
本書は、そんな悩みに答えるべく、筆者が代表をつとめるビルコム株式会社がもつ、広告に代わって売り上げをあげることができるコミュニケーション手法に関する知見をまとめたものだ。
2003年に創業して以来、私たちはPR会社として「ブランド価値で事業に貢献する」ことをミッションに掲げ、東証一部上場企業から地方にある中小企業まで、さまざまな業種や規模の企業に対し、マーケティングの戦略立案にはじまって企画実行にいたるまでをお手伝いしてきた。そのなかには、世界的な広告賞として知られるカンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルを含め、数々の栄誉ある広告賞を獲得した仕事もいくつかある。私たちの手法は広告とは異なるものだが、それほどに「広告に近いところ」で活動してきた。
だが、近くはあっても、「広告が効かなくなった」という声が高まるなかで、私たちの「広告ではないコミュニケーション」の効果はおとろえていない。それどころか、高まっているといってもいいくらいだ。「広告ではないコミュニケーション」すなわち、PRの考え方を発展させた独自のコミュニケーション手法によって、生活者の共感を勝ち取り、企業の経営課題を解決し、経営目標の達成に貢献しつづけているのである。
どうして「ちがい」が生まれたのか。それは、どこからくるのか。冒頭の問いかけに対する答えの手がかりがそこにある。
本書では、それを読み解くために、広告的アプローチが効かなくなったという客観的な事実に着目し、いま起こっている事柄を冷静に読み解くところからはじめた。
そして、一方的なポジショントークに終始したり、成功した事例の紹介にとどまることのないよう、社会において生活者のベースとなっているコミュニケーションのあり方についても、変化の表層だけでなく、人間心理を含め、より根っこにあるものの分析に取り組んだ。
さらに、それらをふまえて「つぎの時代のコミュニケーション」に必要な要件を私たちなりに導き出したうえで、広告に代わって売り上げに貢献できるコミュニケーションについて、フレームワークやメソッド、戦略の立案といった実務目線を交えつつ、可能なかぎり体系的に解説を試みている。
よくいわれるように、市場の成熟化、少子高齢化、ブランドの老齢化……と、現代の日本企業が直面している課題は多岐にわたっている。コミュニケーションの手法をあらためたからといって、そのすべてを即座に解決できるわけではないかもしれない。
だが、あらためてソーシャルメディア時代のコミュニケーションを見つめなおしてみて、企業と生活者との関係には、まだまだ大きな可能性があると感じる。あるいは、これまでは存在感を発揮しきれずにいた規模の小さな企業にも、今後は新たな可能性がもたらされるのではないだろうか。
本書ではそこに、私たちなりのひとつの解を示したつもりだ。これを手がかりに、さらにすぐれた解を読者のみなさまと見つけていくことができればと願う。
ビルコム株式会社 代表取締役 兼 CEO 太田滋
今年もボストンキャリアフォーラム(BCF)に出展させていただきます。開催期間は2017年11月17日~19日です。当社は2013年からBCFに出展しており、毎年私もボストンに赴き、学生の皆さんと対面でお話して内々定まで出すと決めています。
まさに今、トップセミナーの資料を作成しているのですが、今年は以下に挙げる3つの取り組みについてご紹介しようと思っております。
1. 革新的な「戦略」:事業に貢献するコンサルティング事例
2. 革新的な「挑戦」:データを活用したPRサイエンス手法
3. 革新的な「組織」:長く挑戦し続けられる企業文化
私が採用時に心掛けているのは自社の良いことばかり話さないということです。概して会社説明会というものは、自社の良いところばかりを喧伝しがちですが、それは入社前後のGAPを生んでしまいお互いに良いことはありません。
なので、私が登壇するトップセミナーでは自然体で臨むようにしています。毎年このセミナーではご質問を多くいただき、心痛するような内容もありますが、真摯にありのままを回答するように心掛けています。
トップセミナーのスケジュールは以下になります。
・11月17日(金)11:20-12:20 ルーム153A
・11月18日(土)12:40-13:40 ルーム153A
2019年度入社は5名程度を計画しています。既に100名規模でエントリーをいただいており、一部の方は事前のWeb面談も行っていますが、ご興味ある方は以下よりエントリーいただければ幸いです。
・企業情報はこちら
・求人情報はこちら
今から皆さんにお会いできるのが楽しみで仕方ありません。
現地でお会いできるのを心待ちしています。
アドテック東京2017に登壇させていただきました。
昨年に続き2回目です。
テーマは「GenZのソーシャル上での行動を理解する」です。
マスメディアをみない、演出された広告を嫌う、本音を言わない、ソーシャルメディアで繋がっていないと不安になるといったGenZ(中学生~大学生)のインサイトからコミュニケーションまで幅広くお話いただきました。
詳細はPRブログで内容をまとめていますので、よろしければご覧くださいませ。PRブログはこちらから。
撮影の現場が好きです。
みんな笑顔で、一体感があって
モノづくりに向き合うような熱量もある。
久しぶりに集合写真を撮ろうと
全員がスケジュールを調整して集まりました。
撮影は中野修也さんとPoolさんとご一緒しました。
最近のコミュニケーションの潮流は「リアル」。
仕込んだ完成物だけでなく、作るプロセス=リアルをみるのが面白い。
みんな素敵な笑顔でした!
7月にベルギー・ブリュッセルに行ってまいりました。2年連続2回目。昨年と変わらず街並みが綺麗で、食事も美味しく、欧州らしくゆったりとした空気が流れていました。また、大先輩から慫慂されてアートに触れるべく合間を縫ってベルギー王立美術館に行ってまいりました。普段アートに触れるような生活を送っていないのですが、16〜18世紀のルーベンスやブリューゲル、ダヴィッドの絵はみているだけで、なんだか魂が吸い込まれるような感覚を覚えました。
そんな体験に触発されて、復路の機内では、書籍『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』という本を読みました。論旨は、動的な社会の中において論理的思考だけで経営していくのは蹉跌をきたすといったものです。就中、社内にビジョンという美意識がなく数字だけを追求するあまり、法的なグレーゾーンでコトを始め、炎上や批判といった外圧によってコトを終えるといった虚しさや、ファクトやロジックを基にした意思決定はコモディティ化して差別化を図ることができないといった話は、広告・PR業界に身を置く者として耳が痛かったです。
ベルギーから帰国後、全く別の流れでメディアWiredが主催する新しい旅のプラットフォーム「REAL WORLD」の報告会に参加してきました。題目は「低成長時代の成長戦略〜メガカンパニーからグッドコミュニティの時代へ」というドイツ・ベルリンのスタートアップを視察したもので、ヤンチャな規模の拡大競争とは違う企業の在り方を模索していた私にとって興味をそそるものでした。また、財政が極めて健全なドイツのスタートアップの在り方を垣間見たかったという動機もありました。
そこで話されていたことは、大言壮語な”世界を変える”を掲げ、破壊的イノベーションを前提として、既存の市場からリプレイスを狙い、無理にIPOして株主のために死ぬほど働くといった米国的スタートアップとは様相が大分異なりました。曰く、ベルリンのスタートアップはアーティストのように起業する、と。暮らしをより善くするために分断されていたものを統合する、いわば創造的イノベーションを目指しているといったものでした。スケールはしていないが生活は豊か。経済よりも文化が大事。CompanyではなくSociety。企業の活動が社会活動だったり、文化活動だったりで、そこに経済性が随伴する。一つの答えに向かって(ナチのように)熱狂的に向かっていくのではなく、答えに多様性を持つという価値観を目指しているとのことでした。
ブリュセルで触れたアート。帰路に就く間に読んだ「経営には真・善・美が必要」との書籍。帰国後に聞いたベルリンのスタートアップが目指す答えの多様性。それらが線で繋がったような気がしました。
分断から統合へ。
破壊から創造へ。
私たちが日々取り組んでいるマーケティングコミュニケーションは全て手段です。広告も、PRも、SPも、デジタルも全ては手段。そして、その手段は未だに分断されています。もっと私たち自身が主導して手段を統合し、企業の目的をイノベーションしていかなければなりません。手段のイノベーションばかりを考えて、点のソリューションをいじくり回すのではなく、マーケティングの目的そのものの価値定義を変えていく企業体になっていこうと私自身の見識を改めました。少子高齢化、市場の成熟化、デフレ、ブランドの老齢化といった日本市場の課題に直面している企業に対してマーケティングの側面から解決に資したいと思います。