2022年1月31日月曜日

ミッションを改訂しました


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2022年1月。ビルコムはミッションを改訂しました。
















新しいミッションは「共感あふれる未来をつくる」です。









旧ミッションから新ミッションへ


ミッションステートメントを全面的に見直すのは2014年6月30日以来、7年半ぶりです。


ミッションステートメントの構成











改訂に伴って、ミッションステートメントの構成も変えました。

これまで、ビジョン・ミッション・バリュー(ビルコムの原則:通称ビルゲン)という3つの構成だったのをミッションとバリューの2つにしました。新ミッションは、これまでのビジョンの位置づけ「あるべき社会の姿」を内包しているため、ビジョン「世界をより感動できる社会にする」をなくしました。



ミッションを改訂した理由

ミッションステートメントを本当に改訂するべきか、どういう構成にするかとても悩みながら進めました。今のビジョンやミッションに共感して入社を決めた社員も多いからです。それでも、ミッションを改訂しようと思った理由は3つあります。


1. ビルコムに対する外部からの評価が変わってきた


特に、2017年にSaaS事業として開始したPR Analyzer®の存在が大きいのですが、お客様からビルコムに対してご評価いただくポイントが変わってきました。


「ビルコムに決めた最大の理由は、PR Analyzerによるデータの可視化。」

「PR Analyzerでデータに基づいた広報戦略ができること。」

「PR Analyzerを活用したロジカルな部分が良い。」

※いずれも2021年上半期顧客満足調査「ビルコムの強み」回答より原文抜粋


こうしたお客様の声に象徴されるように、ビルコムの強みである「チーム×データ×テクノロジー」の要素をミッションに盛り込めることができないかと考えました。



2. 社会に対してビルコムが果たす使命を明確にしたい


これまでの旧ミッション「顧客企業のサステナビリティに貢献する」は、お客様のあるべき状態しか規定していませんでした。新しいミッションでは、お客様の先にいるステークホルダーや社会のあるべき姿を描きたいと思いました。企業にとってPRの位置付けが変わってきたからです。

統合型コミュニケーション、採用PR、個人株主向けIR、インターナルコミュニケーション、危機管理広報、Webマーケティング、ブランディングなど、PRは企業とステークホルダーを取り巻くコミュニケーションの中核的な機能として位置付けられるようになりました。お客様の先にある社会に対してビルコムが果たす使命を明確にしたいと考えました。


3. 捉えている社会課題を解決したい


栄枯盛衰は世の常ですが、魅力が伝わらず、共感されないまま終わりを迎えることが多いと感じています。例えば、半世紀以上続いていた伝統的なスポーツの大会がなくなってしまったり、多くの方々に愛され続けてきた文化施設や商業施設が閉鎖されたり、それ以外にも老齢化したブランド、誤解されたままの会社もあります。

一方、共感されないだけでなく、負の感情が表出することも増えました。企業や地方自治体の広告がSNSで炎上して中止になる。ふとしたときに垣間見られるハラスメント。情報発信者側と、世の中の認識に大きなギャップが生まれています。負の共鳴や分断の連鎖といった社会課題に対して私たちができるアプローチで解決したいと思いました。

こうした3つの理由により、新たなミッション「共感あふれる未来をつくる」が生まれました。


新ミッション











データとテクノロジーでPRを進化させる

新ミッションに、「データとテクノロジーでPRを進化させる」という言葉を入れました。

2003年に創業して、これまでの約20年間を振り返ってみると、微力ながらPR(と業界)の進化に貢献してきたのではないかと自負しています。


2003年創業当時の一般的な広報活動は、プレスリリースを作成・配信して、メディアからの問い合わせを待つという受け身の姿勢でした。それを、メディアの方と一緒に企画を考え、取材のサポートを積極的にする攻めの広報活動に進化させました。











2009年に書籍「WebPRのしかけ方」を上梓させていただきました。マスメディアだけでなく、WebやSNSを活用した戦略的なPR活動の事例やノウハウをまとめました。



2017年には、SaaS事業となる広報・PR効果分析ツール「PR Analyzer®」を提供開始しました。従来の不透明な効果測定から、記事のリーチ数を自動算出する仕組みをつくりました。既に150社以上の導入実績があります。



50年以上続く「月刊メディア・データ®」を2019年に事業譲受してデータベース事業を内製化しました。600社のお客様に継続購入いただいています。データを活用した科学的なPRを実践してきました。













2021年には、メディアリレーション管理システム「Media Relations Management (MRM)」を社内リリースしました。行動履歴を基にした最適化されたメディアアプローチが可能になりました。

こうして、特に2017年以降はデータとテクノロジーに対して継続的に投資を行い、自社開発した複数のPR Tech®プロダクトをつくってきました。これからも、不透明・不確実・非効率といわれているPR業務のプロセスと成果を可視化し、データとテクノロジーでPRを進化させていきます。こうした決意をミッションに盛り込みました。


共感あふれる未来をつくる

コミュニケーションの先にあるものーそれは「共感」です。私はビルコム創業前の、ソースネクストの広報宣伝部時代から数えると20年もの間PRに従事しています。PRで伝えることは、機能でもなく、価格でもないとつくづく思います。私なりの言葉でいえば、その企業や人に内在する「哲学」を伝えていると思うのです。


私は、週に数日スタバに通っています。季節のメニューやコーヒーが美味しいというのもあるのですが、紙カップに手書きでメッセージを書いてくれる店員さんのホスピタリティや、座ると読書したくなるようなお店の雰囲気、時々お店で開催されるイベントやセミナー、そして気候変動やエシカルに対する取り組みなど、スタバが大切にしている哲学に共感して、お店に通っているのだと思います。哲学に共感して人は動く。共感を生み出すPRのお手伝いをしたいと思います。


市場を創造する。評判を形成する。

売上をあげる。採用を増やす。士気を高める。


こうした企業のコミュニケーション目的を達成するには、いかに強く、深い共感を得るのかがとても重要です。顧客と社会をつなぐ共感を生み出したい。心からそう思っています。そのために、私たちは、お客様やパートナーと共に価値を創り、想いを伝えることで、未知なる感動を生み出します。











ミッション策定までのプロセス

昨年の2021年8月17日に、取締役の早川が経営会議メンバーに投げかけたSlackから検討が始まりました。






ここから、ミニBK(経営会議メンバーが夜集まって経営課題について議論する場)で6回、経営会議で3回、取締役会では10月から議論をはじめ、全社も巻き込みながらミッションステートメントの構成から内容までを決めていきました。














ビルコムが大切にしている意思決定フローの、「ボトムアップとトップダウンの相互作用」を地で行くように新ミッションを決めていきました。



ミッションと事業の関係

ミッションは事業を規定します。

裏を返せば、ミッションと事業を分離して考えることはできません。


「共感あふれる未来をつくる」ために、どういう事業を展開するべきかが明確になりました。これまで新規事業は、市場環境や競争環境などの当該事業の採算性を検討して始めることが多かったのですが、「儲かりそうだからやる」という判断基準ではなく、「それはビルコムが手がけるべき事業なのか?」と自問する礎が生まれました。

ミッションは自社の存在価値でもあり、アイデンティティでもあります。新しいPRを事業の中核に据えて、社会のあるべき姿を彩るために、その架け橋となる事業をこれからもつくっていきます。










新ミッションに基づき、これからもお客様や社会に役立つ会社として努力を重ねてまいります。今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます。

太田滋

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